畑の片付けをしている。
きゅうりネットには、インゲンやゴーヤ、きゅうりの蔓が絡みついている。夏の間、たくさん実をつけてくれた野菜たちも、季節が進めば片付けの時期だ。
蔓は、力で引いてもほどけない
ところが、この蔓がなかなか手ごわい。
力いっぱい引っ張っても、思うようには取れない。たくさんまとめてつかむと、あちこちに絡まって、かえって手間がかかる。
少し手を緩めて、蔓の向きを見ながらほどいていくと、するすると外れていく。
するする、するする。
この感じが、なんとも気持ちいい。
急いで終わらせようと力を入れるより、少し余裕を持って、目の前の蔓に合わせて手を動かす。そのほうが、ずっとうまくいく。
ふと顔を上げると、八ヶ岳
ふっと深呼吸をして、顔を上げる。
夕日が八ヶ岳を照らしていた。空は少しずつ薄紫色に変わり、眺めているうちに、ますますきれいになっていく。
秋の空気はひんやりとして、少し肌寒い。でも、体を動かしていると、その冷たさも心地いい。
手元の作業に夢中になっていると見過ごしてしまう景色が、ふと顔を上げただけで目に入ってくる。
自然の中にいると、普段から感じていることが、すっと心に入ってくる瞬間がある。
八ヶ岳の山歩きにも、同じことがある
力づくでは、うまくいかないことがある。相手の様子をよく見て、こちらのやり方を少し変えてみる。無理に思いどおりにしようとしないだけで、物事がすんなり進むこともある。
八ヶ岳の山を歩くときも、同じようなことを感じる。
予定どおりに歩けない日もある。思ったより疲れることもあれば、天気によって行き先を変えることもある。
そんなとき、無理に予定に合わせるのではなく、今の自分の体調や、目の前の山の様子に合わせて歩いてみる。
足元の苔に目を留めたり、木々の間から差し込む光を眺めたり。ゆっくり歩いているからこそ、気づける景色がある。
登山は、山頂を目指すだけのものではないのだと思う。
自分の状態を知り、自然の変化を感じながら、そのときの自分に合った歩き方を見つけていく。
畑仕事も、山歩きも。
自然に逆らうのではなく、自然に寄り添ってみる。頭ではわかっているつもりでも、こうして自然の中で過ごしていると、あらためて心からそう感じる。
だから、自然と過ごす時間が好きなのだと思う。
今日は冷え込んだ。
作業の手を止めて見上げると、八ヶ岳の空が澄みきっていた。
八ヶ岳の麓で畑をしながら、ゆっくりのペースで山を案内しています。

