歩く速さが、見える世界を変える。
安全に山を歩くことはもちろん大切です。
でも当オフィスでは、それに加えてもう一つ大切にしていることがあります。
当オフィスのペースは、標準コースタイムの約1.2倍。ゆっくりと歩きます。
体力に合わせて休憩を多くとりながら、一人ひとりのペースに合わせて進みます。
そうすると、足元を覗き込む時間が生まれます。
風の匂いが変わる瞬間に気づきます。
鳥の声が聞こえてきます。
立ち止まるたびに、何かに出会います。
体力に不安がある方も、足が速い方も、同じペースで歩きます。
速く歩けば通り過ぎてしまうものの中に、このツアーの醍醐味があります。
足元の、小さな宇宙に目を向ける
八ヶ岳の森を歩くとき、私がよく立ち止まるのは苔の前です。
苔は小さいので、歩きながらでは見過ごしてしまう。
でも屈んで、少し近づいて見ると——驚くほど美しかったり、面白い形をしていたり、想像もしなかった生き方をしていたりします。
八ヶ岳の森は、苔にとって特別な場所です。
湿度、気温、光の入り方。ここにしかない条件が、ここにしかない苔の世界を作っている。
そこに立ち止まって話し始めると、時間がどんどん過ぎてしまいます。
苔の観察をじっくりするツアーもあれば、休憩のときにさらっと触れるだけのこともある。
でもどちらであっても、その視点を一度持つと、もう手放せなくなります。
この感覚は、屋久島でガイドをしていたときに自分自身が学んだことです。
見方を知ることで、同じ森がまったく違って見えた。
苔がもっと好きになった。
森がもっと好きになった。
そして、その視点をお伝えしたときに参加者の目がキラキラする瞬間がある。
その表情を見て、こちらもまた自然が好きになる。
ガイドと参加者が、お互いに自然への愛着を育て合うような時間——それがこのツアーで大切にしていることです。
山で得た「見方」は、持ち帰れます。
八ヶ岳で苔を知ったあと、北アルプスや富士山の樹海を歩くと、見覚えのある苔に出会うことがあります。「あ、これ八ヶ岳にもいた」——その瞬間、苔はただの緑のかたまりではなくなります。名前を知っている友人に再会するような、小さな愛着が生まれる。
その愛着が入口になって、苔の世界へ、森の世界へと興味が広がっていく。下山の道も、帰りの車窓も、以前とは少し違って見えます。
山で変わるのは、景色だけじゃない。ものの見方が変わる。そのことを、このツアーで届けたいと思っています。
少人数で、あなたのペースで。
グループの誰かに合わせて歩くのではなく、参加者一人ひとりの状態に合わせてペースを調整します。
疲れたら休む。気になったら立ち止まる。それができる人数と空気感を、意図的に保っています。
体力や経験より、「自然の中でゆっくりする時間がほしい」という気持ちのほうが、このツアーには大切です。
参加された方の声
参加された方の声|準備中
こんな方に来てほしい。
登山が初めての方、体力に自信がない方、以前の登山ペースが合わなかった方、子どもに本物の自然を見せたい方、花や苔をじっくり眺めながら歩きたい方。
頂上を目指すことより、歩いている時間そのものを楽しみたい方と一緒に歩きたいと思っています。
